農産物・直売所向け:野菜・果物の産地シールの書き方
直売所や道の駅に野菜・果物を出荷するとき、産地シールに何を書けばいいのか迷った経験はないでしょうか。加工食品と違って表示項目は少ないものの、「有機」「特別栽培」といった栽培方法の表示には別のルールがあり、意外と誤解されやすい分野でもあります。この記事では必須の記載項目から、栽培方法の表示条件、直売所向けの記載例まで解説します。
この記事でわかること
農産物の表示義務(JAS法・食品表示法の違い) / 野菜・果物の必須記載項目 / 産地・品種・栽培方法の表示ルール / 「有機」「特別栽培」表示の条件 / 直売所・道の駅向けの記載例 / シールの選び方
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農産物の表示義務(JAS法・食品表示法の違い)
2015年に食品表示法が施行され、それまでJAS法・食品衛生法・健康増進法にまたがっていた食品表示のルールが一つに統合されました。野菜・果物などの生鮮食品の「名称」「原産地」といった表示項目は、現在はこの食品表示法にもとづく「食品表示基準」に定められています。
「有機」と名乗れるかの認証
JAS法(日本農林規格等に関する法律・有機JAS規格)が規定
補足
「JAS法の表示ルール」と呼ばれることもありますが、現在の一般的な生鮮食品の表示義務は食品表示法にもとづくものです。有機JASのような「格付け・認証」の仕組みは、今もJAS法の枠組みで運用されています。
野菜・果物の必須記載項目
生鮮食品である野菜・果物の表示義務は、加工食品に比べるとシンプルです。食品表示基準上、原則として必須となるのは次の2項目だけです。
名称必須
その内容を表す一般的な名称(例:トマト、りんご)
原産地必須
国産の場合は都道府県名など、輸入品の場合は原産国名
原材料名・栄養成分表示・消費期限対象外
加工食品で必要になるこれらの項目は、生鮮食品の野菜・果物には基本的に求められない
⚠ 組み合わせ・味付けは「加工食品」扱いに
複数の野菜を組み合わせてカット野菜のミックスパックにしたり、味付けをしたりする場合は「加工食品」とみなされ、原材料名の表示など、より詳しい表示が必要になることがあります。単品をそのまま袋詰めするか、複数食材を組み合わせるかで適用ルールが変わる点に注意しましょう。
産地・品種・栽培方法の表示ルール
原産地(国産)
都道府県名・市区町村名のほか、郡名(秩父郡)、島名(屋久島)、旧国名(尾張、土佐)、別称(信州、甲州)など一般に知られている地名も使用可
原産地(輸入)
原産国名を表示。複数産地が混ざる場合は重量割合の高いものから順に表示
品種任意
「シャインマスカット」「あまおう」など品種名・ブランド名の表示は義務ではない
栽培方法任意
「有機」「特別栽培」「減農薬」等は任意表示だが、表示するには一定の条件を満たす必要がある(次章で解説)
「有機」「特別栽培」表示の条件
有機JASマーク
マークの表示がない農産物に「有機」「オーガニック」等を表示するのは法律で禁止。登録認証機関の認証が必要
特別栽培農産物
節減対象農薬の使用回数、化学肥料の窒素成分量を、それぞれ地域の慣行栽培基準に比べて5割以下に削減した場合に表示可能(農林水産省「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」)
⚠ 認証なしの「有機」表示は法令違反
有機JASマークを表示するには、農林水産省に登録された認証機関からの認証が必要です。認証を受けずに「有機栽培」と表示すると法令違反になります。「慣行栽培基準」は都道府県ごとに定められているため、特別栽培農産物の実際の削減量の目安も地域によって異なります。出荷先の都道府県の基準を確認したうえで表示しましょう。
直売所・道の駅向けの記載例
生産者が自ら生産した農産物を、その生産した場所(直売所や無人販売所を含む)で消費者に直接販売する場合は、食品表示基準上の表示義務の対象外となるケースがあります。ただし、これはあくまで生産者本人がその場で販売する場合の考え方であり、JAや道の駅のように複数の生産者の農産物を集めて販売する形態の直売所では、通常の生鮮食品の表示義務(名称・原産地)が適用されます。
| 名称 |
シャインマスカット |
| 原産地 |
〇〇県〇〇市 |
| 栽培方法 |
特別栽培農産物(節減対象農薬:地域比5割減、化学肥料:地域比5割減) |
| 生産者 |
〇〇農園 |
生産者名や「顔の見える」情報を添えることは、義務ではないものの直売所ならではの安心感につながる要素です。個包装のシールに書ききれない場合や、バラ売り・量り売りで陳列する場合は、商品そのものに表示する代わりに、陳列棚の立札やPOPに名称・原産地をまとめて掲示する方法も認められています。
シールの選び方(耐水性など)
産地シールは、屋外の直売所の陳列棚や、スーパーの冷蔵ケースなど、湿気や結露の多い環境で使われることが少なくありません。文字がにじんだり、シールが剥がれてしまったりすると、表示の役割を果たせなくなってしまいます。
土つきの根菜・葉物野菜
水滴が付きやすいため、粘着力の高いタイプを選ぶ
産地シールが決まったら
オリジナルシール工房では、野菜・果物それぞれの特性に合わせた産地シールを取り扱っています。
産地シールが決まったら、
印刷して貼るだけ
野菜・果物それぞれの特性に合わせた産地シールを、小ロットから作成できます。
最短3営業日出荷(規格品の場合)
まとめ
野菜・果物の表示義務は、加工食品に比べると「名称」「原産地」というシンプルなものですが、産地の表記ルールや、「有機」「特別栽培」といった栽培方法の表示には、それぞれ根拠となるガイドラインと条件があります。特に有機JASマークのない農産物への「有機」表示は法令違反になるため、認証の有無を必ず確認しましょう。
直売所での販売形態によって表示義務の扱いが変わる点もあわせて押さえ、正しい産地シールづくりに役立ててください。
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最終更新:2026年9月 本記事は一般的な情報提供を目的としています。実際の表示内容の判断は、必ず農林水産省・消費者庁の最新ガイドラインや管轄の窓口にご確認ください。